「売る」ことはみっともなく、恥ずかしいことなのか

マーケティング講座

ドーナツの売り込み

6月下旬。でも打合せが終わって外に出たら……とにかく暑い。

「確か、最高気温は28度だったよな」

そう思いつつ、次の仕事の準備をするためにタリーズに入った。レジには女の子の店員がいて、彼女に「アイスコーヒーを1つお願いします」と注文した。

僕は彼女にお金を支払おうとすると、彼女(店員さん)はこう言ってきました。

「新しいハワイアンドーナツはいかがですか?」

その瞬間に僕の目はハワイアンドーナツに行き、「確かに美味しそう。注文しようかな」と彼女に話す。ただ、時間に余裕がなかったので……

「時間もないし、アイスコーヒーだけお願いします」

そう答えました。

結果的には断ったのですが、実は数日後に購入しました。

店員の彼女からしたら「新商品(ハワイアンドーナツ)を伝えたけど、売れなかった。売り込みに失敗した」と心の中では考えたかもしれないですが。実際には売上につながったわけです。

売れないのは売っていないから

さて、こういう一言は非常に大事だと思います。

これまでさまざまな企業のマーケティングの支援をしてきましたが。売れない原因は「売っていない」からということが少なくない。

自分たちの製品やサービスの存在を伝えていない。

価値を伝えていない。

難しいことは抜きにして、ただ、それらが原因ということが少なくないのです。

先ほどの店員の彼女のように

「新しいハワイアンドーナツはいかがですか?」

と売るチャンスをきちんとモノにしていない。「売っていない」から「売れない」ケースも少なくないわけです。伝えていないから売れていないのに、他に原因があるからと頭の中で複雑にモノを考えても売っていないことが原因の時はいつまでも売れない状況が続いてしまうわけです。

売れないのは売っていないから、ただそれが原因ということがあるのです。

顧客はあなたの製品やサービスに気づいてはくれない

もしかしたら、あなたはこう思うかもしれない。

「自分たちはサイトでも告知しているし、SNSなどでも告知している。だから、自分たちの製品やサービスを売っていないということはない」

ただ反論するわけじゃないですが。

タリーズだってそれらはもちろんやっています。

サイトにだってしっかり告知しているし。さまざまなプロモーションを展開している。少なくとも中小規模の企業よりはやっています。それでも、です。

店員の彼女がすすめなければ、僕はその商品(新しいハワイアンドーナツ)の存在にさえ、気づかなかった。実際に入ったお店の商品で、僕の目の前にあった商品にも関わらずです。

あなたのビジネスの製品やサービス。それらは顧客の目の前にあっても気づかないことだってあるし。ましてや、目の前になければ、さらに気づかない。

今は多くの情報が氾濫しています

今は多くの情報が氾濫している。スマホで大量の情報に触れているし、僕の場合、腕にはアップルウォッチがあり、そこからも情報。PCを使っている時も異常なくらいの情報です。

さらに色々なことを常に考えています。

無限といえる情報。その情報の渦の中にいる顧客。その顧客にあなたの製品やサービスの存在や情報を伝える必要があるわけです。

顧客はなかなか気づかないから、気づかせるのです。

なので「顧客の目の前に新製品を置いているのだから、気がつくだろう……」というのは違う。

きちんと伝えることです。

店員の彼女の売り込みに対し、その日の僕は買わなかったけれど。次の機会に買ったわけです。顧客に知らせていれば、買うチャンスは増えるのです。

売ることは喜んでもらえる

時々、「売ることはみっともない」と思っている人がいるのだけど、そんなことはない。

顧客の立場でいうと、店員の彼女の「新しいハワイアンドーナツはいかがですか?」という言葉は、嫌な印象など一切なく、むしろいい印象しかなかった。

自分たちの製品やサービスを価値あるものだと考えているか

重要なことはあなた自身が勧めている製品やサービスを「価値がある」ものだと考えているか、です。

いいものだと考えているのであれば、それを勧めることはいいことで。「売ることはみっともない」などと考える必要はなく、「(売ることは)いいことだ」と考えればいいだけ。

売れば売るほど、世の中に良いものを届けることができる。世の中が良くなっていく。そう考えれば、もっともっと売る機会を増やせるはずです。

最後に一言。

再度言いますが、うまくいっていないビジネスは、自分たちが思っている以上に売っていないことが少なくないです。世の中をより良くする意味でも、あなたの素晴らしい製品やサービスをもっともっと伝えていくことです。

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