売れるだけでなく口コミも起きるシンプルな法則
「この街で美味しいパン屋って言ったら、◯◯でしょ」
先日、あるカフェで友人二人と僕と話していた時のこと。「ある街で最も美味しいパン屋はどこだろう」という話になりました。そして、友人の一人がある店のことを「あそこが美味しい」と話し始めたんです。
そして、もう一人はこう言いました。「あそこのミルクフランスは半端なく美味しい」と。確かにその店の「ミルクフランス」は絶品。僕も店の近くを通る度に「ミルクフランスが食べたい」と思ってしまいます。その店はメディアにもよく取り上げられていて、全く買えなくなってしまう時期もあるくらい、ミルクフランスは人気があります。
で、ここで話したいのは「パン屋」でも「ミルクフランス」の話でもないんです。重要なのは「一言」について。あなたにもあると思います。「◯◯って言ったら、◎◎(お店の名前)でしょ」というようなことが。この「◯◯」という一言が非常に重要です。
マーケティングで有名なアル・ライズが語った「集中の法則」という有名な法則があるのですが、これはまさにその法則。彼はこう言います。「マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ1つの言葉を植えつけることである」と。これは一見、わかりにくいのですが、先ほどのケースで考えるとすぐにわかると思います。
あの時、話したパン屋に対し、僕たちの頭の中には「美味しいパン屋(一番美味しいパン屋)」という1つの言葉が植えつけられていたわけです。もしくは「ミルクフランス」のイメージが強烈な人の頭の中には「ミルクフランス」という1つの言葉が植えつけられている。
全ての人に完全に同じ1つの言葉が植え付けられるというほど単純なものではないですが、1つの言葉を植えつけることは非常に強力なわけです。
あのお店は「◯◯」と1つの言葉で言えるということがです。多くは違います。パン屋か何屋かわからないとか、何の言葉かわからないことも多いわけです。この1つの言葉には2つの基本的な効果があります。
効果1:顧客自身が買う
仮にあなたの頭の中にある「パン屋」に対して「美味しいパン屋」という1つの言葉が植えつけられていると、「美味しいパンが食べたい」と思う度に頭の中にその店が浮かぶようになります。「美味しいパンが食べたい。あの店に行くかぁ」という感じです。
そして、そのパン店は刻み込まれた言葉によって売れていくわけです。これが1つの言葉が植えつけられた場合の力です。
効果2:口コミが起きる
1つの言葉が植えつけられると、1つの言葉で伝えることができるようになります。
「美味しいパン屋」という言葉を植えつけられるとそれを伝えることも簡単にできるわけです。
「あそこはこの辺で一番美味しいパン屋だと思うよ」という感じにです。もしくは「ミルクフランス」が植えつけられているのであれば、「ミルクフランスだったら、あそこでしょ」という感じかもしれない。いずれにせよ。一言が口コミを生んでいきます。複雑なものではそもそも説明できないし、相手も理解できないわけです。
マーケティングとか法則などと言うと堅苦しくなりますが、僕たちの日常を考えれば当然です。当然のように行っていること。それを活用すること、それが重要なんです。
顧客にたった1つの言葉を植えつけるためには、あなた自身があなたのビジネスを1つの言葉で言えることがまず大切です。あなた自身が1つの言葉にできないものは顧客だって1つの言葉にできません。
それでは、まとめです。
まとめ
- 一言を植えつければ、顧客は理解しやすく、購入する可能性が高まる。複雑なモノを植えつけようとしても、顧客は理解せず、購入する可能性が低くなる。
- 一言を植えつければ、顧客は理解しやすく、口コミをする可能性が高まる。複雑なモノを植えつけようとしても、顧客は理解せず、口コミをする可能性が低くなる。
最後に、あなたのへの質問です。
あなたへの質問
- あなたの企業(お店、あなた自身)を一言で言うと、何だろうか?
- あなたの製品を一言で言うと、何だろうか?