膨大な売り込みを受けてきた
「決裁者」に質問しました
BtoB企業の顧客
そのキーマンである「決裁者(7人)」の方にある質問をしました。
その質問とは
というもの。
彼らは全員
5年以上の決裁経験をもち、さまざまな企業から膨大な売り込みを受けてきた決裁者。つまり、売り込みに対し「買う」か「買わない」かを決めてきた人たちです。
それだけ多くの売り込みを受けてきた彼らが「100%買ってしまう提案」とはどのような提案と語るのか、何が必要なのか、それを探るための調査、ヒアリングを実施しました。
質問は先ほどのとおり
というもの。
「買うかもしれない」ではなく「100%買ってしまう」提案です。
この「100%」という質問はやや難しいようでした。
「『100%買う』というのは簡単じゃないですね」
そう言って、よく考えてから答える人
「1つの条件で100%買うようにするのは難しいです」と、いくつかの条件が必要だと語る人など様々でしたが……。
そうした答えを集計し、分析すると、彼らの最も多くが求めたいくつかの「条件」が明らかになったのです。
「100%買ってしまう提案」の第1位の条件
「100%買ってしまう提案」に必要な条件はいくつかあったのですが、今回注目するのは、その条件の第1位です。
「100%買ってしまう提案」
その条件の第1位は……
顧客にとって「価値」を強く感じさせる提案であることが最重要だということです。
ただ、ここで疑問が生まれます。
「価値」といわれると「当然そうだろうな……」と思う一方で。
「一体、顧客(決裁者)に響く『価値』とはどのようなものなのか?
どのように『価値』を伝える必要があるのか」
と、そもそもの疑問が生まれてきます。
今回、ご提供するのはまさにその「どのように価値を伝える必要があるのか」です。彼ら決裁者の声を一つひとつ丁寧に読み解くと、一言で「価値」といっても押さえるべきポイントが明確かつ具体的にあったのです。
彼ら「決裁者」の声をベースにそのポイントを1つ1つ解説します。
あなたの製品やサービスの「価値」を、最大限成果を上がるように伝えるためにも、ぜひ参考にしてほしいと思います。
では、ここからスタートです。
「価値」に関する決裁者の本音1
まず、1つめの決裁者の本音(声)を見てください。
「大抵の提案は『これは自分たちに最適だ』と思えるほどの価値は感じられない。どこかズレていてピンと来ないものが多いです」
「価値」について、何よりも先に押さえるべきなのはこの声です。
これまでBtoB企業のさまざまな顧客調査に携わってきましたが。この「大抵の提案はズレてる」という声は非常に多い。
顧客にとって「価値」が重要なことは当然誰もが認識しています。 そのこと自体、書籍やネット上の情報などで何度も目にしていますし、ほとんどすべての人が知っている。
ですが多くがズレる。
正直、僕自身、顧客(決裁者)の立場にいる時に強く感じていました。
売り手が提案する「価値」らしきものは、顧客である自分たちにとっては「価値」ではなく、多くがズレてる。これは決裁者をやって驚いたことの一つです。
この話をすると
「それは新規(新規の営業〈提案〉)だからではないですか?」
と質問を受けますが。新規だけでなく、既に付き合いがある既存の営業担当からの提案も結構ズレるのです。
ただ、考えるとこれは当然のことです。
同じ企業の同じ部署で働く人間同士でもそもそも誤解することはあるし、意見が違っていたり、衝突したりすることはありますよね。
全く同じ環境にいる同士でもズレるわけです。
これに対し、売り込みとなると、部署が違うどころか、会社も違い、業界も違う人間。あらゆる点で前提となる理解や考え方がズレるし、意見だって食い違う。情報を共有しても、その情報の理解がズレ、考え方がズレ、提案もズレてしまうことが多いわけです。
「ズレ」が生まれやすい。
競合他社も含め、多くの提案がズレています。
だからこそ、この現実に目を向けることです。そして、その「ズレ」を最大限小さくする。これを意識するだけでさまざまな場面で有利になります。
提案の時も意識することです。
たとえば、提案時に顧客の表情が曇ってきたら、「ズレ」が生まれてきたのかもしれません。そのまま提案を続けるのではなく、提案を少し中断し、何か不明な点があるかを確認するなど。
その「ズレ」に対処するように意識するだけでも結果は変わります。
「ズレ」を常に意識し、その「ズレ」を最大限小さくすることです。
「価値」に関する決裁者の本音2
「『ズレ』を最大限小さくする」といっても、どう対応すべきか、わからない」
あなたはそう考えるかもしれません。
そんな疑問に次の決裁者の本音が答えてくれます。
「問題解決になる『価値』を強く感じる提案は発注したくなる」
ビジネスは「問題解決」です。
そのため、顧客の問題の「解決策」だと強く感じさせるような『価値』が必要となります。声にある「問題解決になる『価値』」のように、です。
ただ漠然と「価値は何だろう……」と考えるのではなく、「問題解決になる『価値』」を考えるのです。
つまり、提案が(顧客の問題の)「解決策」となっていることが重要です。
提案=顧客の問題の「解決策」
顧客の問題の解決策であるかどうかです。
つまり、多くの提案のズレは次の3つが原因なわけです。
- 「顧客」のズレ
- 「問題」のズレ
- 「解決策」のズレ
- 顧客のズレ
売り手が想定する「顧客」と、実際に商品を買ってくれる「顧客(ターゲット)」とがズレているということです。
「顧客」を正しく想定する
ターゲット顧客は誰なのか
これは全てのスタートです。
誰のための提案なのかがズレたら全てが大きくズレますよね。 - 問題のズレ
その(実際の)顧客の「問題」と、売り手が想定する「顧客の問題」とがズレているということです。「問題」を正しく捉えることは非常に重要です。顧客の問題を誤って捉えてしまうと、当然ですが、解決策もズレます。
当然ですよね。問題がズレたら、そのズレた問題のために解決策を用意してしまうため、当然ズレるわけです。
その意味で重要なのは「顧客の問題」です。顧客の問題を最大限正しく理解する。「売り手が想定する顧客の問題」を「実際の顧客の問題」に最大限近づけていく。顧客の問題のズレがなくなればなくなるほど、解決策となる提案もズレがなくなる可能性が高まります。 - 解決策のズレ
その上で「顧客の問題」に対する「解決策(提案)」をズレないものにしていく。問題に対し、解決策がよりダイレクトになるようにしていくわけです。
「顧客」「問題」「解決策」のズレを最大限小さくする。
特に「顧客」と「問題」のズレを少しでも小さくすることが重要。そこがズレたら、解決策もズレてしまいます。ズレをとことん小さくしていくのです。
「価値」に関する決裁者の本音3
ズレを最大限小さくする。
それでも「価値」が顧客に響かないケースもあります。
原因は「曖昧さ」。次の決裁者の本音を見てください。
「ピンと来ない理由はその価値が曖昧だからだと思います」
価値が曖昧だと伝わりません。
たとえ提案が顧客の問題の解決策としてズレないものであっても、価値が曖昧だと伝わりづらいものになり、価値が明確に伝わりません。
それを解決するには価値の具体化が必要となります。
最大限、価値を具体的に伝えることです。
次のような具体的要素を活用し、明解に伝えていくことです。
- 数値やデータ
- 具体的な事例(ケース)
- 具体的な手順やステップ
- 視覚的要素
- 具体的な表現
数値やデータ、具体的事例など全て具体的な要素です。それらを活用することで具体的にし、明解に伝えてきます。曖昧さをなくし、具体性を高めれば高めるほど、価値は具体的なものとなります。
これは特に「形がない商品」に有効です。
形がない商品は目にすることができず、曖昧なものだからこそ、具体化が極めて重要になるわけです。
目に見えないものを目に見えるようにするために、です。
「価値」に関する決裁者の本音4
提案する価値の「ズレ」を認識し、「顧客の問題」とのズレをなくし、「曖昧さ」をなくす。これまでの説明をまとめると、そうなります。
その上で目指すべきは、顧客にこの提案は「自分(たち)のための提案だ」と強く感じさせ、驚かすことです。
次の2つの決裁者の本音を見てください。
「『これはまさにうちのための提案だ!』と『価値』を感じるものは聞いていて、心の中で興奮する。それくらい的を得ている提案はインパクトがある」
「提案をうけて内心『これこれー』と思ってしまうような提案(は買ってしまう)」
顧客に「これは自分たちのための提案だ!」と強く感じさせるレベルまで、提案内容と顧客とのズレを最大限小さくし、曖昧さをなくすわけです。
確認する方法として最適なのは「リアル」で試すこと。要は実際のターゲット顧客に提案して試すことです。
彼らが心底、「自分たちのための提案だ」と強く感じているようなら、「うちで採用したい」など具体的な反応があります。
知人などに「この提案はどう思いますか?」と意見を聞く人もいますが、その方法は適切ではありません。相手が気を遣って「いい提案ですね」などと良いことばかり言うかもしれないし。評論的になりすぎる可能性だってあります。その意味でリアルな場以上に具体的な反応を把握できる場はありません。
提案内容が複数あるケースではABテストを実施し、いずれの案の反響が高いのか、試すことも有効です。
(新製品や新サービスの完成品がなく提案〈テスト〉自体ができない段階であれば、定性的な調査を実施する方法もあります)
いずれにしても確認するのはターゲット顧客が採用するかしないか。ピンと来ているか来ていないかです。
特にピンと来ない提案については、顧客は強く実感します。
「ピンと来る提案とは、どのようなものですか?」と質問しても、それを瞬時に説明できる顧客は少ないですが、「ピント来ない提案」については多くの顧客が説明できます。それを確認し、参考にするわけです。
「価値」に関する決裁者の本音5
最後にとても大切なことがあります。
次の決裁者の本音を見てください。
「自分たちに関係ない話になると買う気が失せていきます」
「関係ない話」とはまさにズレている要素。
その存在自体、ズレていると感じさせます。
価値がある提案であっても、「関係ない話(要素)」がところどころにあると、ノイズのように重要なことが伝わらなくなってしまう。
その解決策はシンプルで、関係ない要素を最大限取り除くことです。
雑音だらけの騒々しい場所で誰かと会話しても、こちらの話が伝わらなかったり、相手の話が聞こえなかったりして、会話にならないですよね。だからこそ、雑音を最大限取り除き、きちんと声が届くようにするわけです。
最悪なのは提案時の雑音は伝わらないだけでなく、顧客の「買う気」もなくしてしまうのです。
僕自身が決裁者の時もまさにそうでした。
提案を受けている最中、これは「自分たちに関係ない話だな」と思うと、その瞬間、一気に冷めてしまいます。
厄介なのは、一度でも熱が冷めると、再び興味は持ちづらいし、買う気にもなりにくくなります。
そのため、雑音のような「関係ない要素」を最大限省くことです。
多くの「関係ない要素」を省くことで、残り全てを顧客に強く関係がある要素(内容)にしていく。
雑音のような「関係ない要素」を徹底的に省いていくのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
以上が「100%買ってしまう『価値』の伝え方」について、決裁者が考えたポイント(条件)です。
では今回のまとめです。
あなたの製品やサービスの「価値」を最大限成果が上がるように伝えたい時は、次の5つの質問に答えてください。
(チェックリストにご利用ください)
- 質問1:「ズレ」を常に意識していますか?
- 質問2:「顧客」「問題」「解決策」、それぞれのズレを最大限小さくしていますか?
- 質問3:「曖昧」さをなくし、「具体性」を高めていますか?
- 問題4:「自分たちの提案だ」と顧客に感じさせるレベルまで提案を磨き上げていますか?
- 質問5:「雑音(関係ない要素)」を徹底的に省いていますか?
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- 対象:BtoB企業の経営者、マーケティング責任者、営業責任者など (特に少数の商品を展開している企業さまにオススメです)
- 時間:1時間
- 料金:無料
- 日時:ご連絡いただいた後で調整させていただきます。
講師:橋本哲児「決裁者経験をもつマーケティングの専門家」
- 大手上場企業、成長企業の顧問を歴任(業界1位の企業、国内No.1企業、成長企業など)
- 国内初「決裁者目線のBtoBマーケティング」提供
- マーケティング経験(20年超)
- 決裁者経験(10年※上記と重複)+BtoB企業の顧客/決裁者に対する膨大な調査/分析経験
- 『顧客の「本音」がわかる9つの質問』(秀和システム)など
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